元号案は6つ 政府関係者取材で判明

先月発表された元号「奏和」に関して、当日の「元号に関する懇談会」で提示された6つの案が、関係者への取材で判明した。
草案は採用された「奏和」のほか、「望治(ぼうち)」「万保(ばんぽう)」「仁恩(にんうん)」「万祝(ばんしゅう)」「正化(せいか)」の5つの案があったと言うことが判明、典拠は「仁恩」「万祝」は国書から。「正化」「万保」「望治」「奏和」は漢書からの採用となった。

「奏和」の漢書の他に、「万保」は、『詩経』小雅・甫田の什“君子万年 保其家邦”が典拠とされている。また、『史記』貨殖列傳の
“至治之極,鄰國相望,雞狗之聲相聞,民各甘其食,美其服,安其俗,樂其業,至老死,不相往來”を典拠とする望治は、平和を望む姿勢と国の平和が祈られている。
「正化」は『易経』離掛より“重明以麗乎正、乃化成天下”。
国書からの典拠としては以下のとおり。
「仁恩」は日本書紀 巻第19欽明天皇紀からの出典で、国の繁栄と平和が祈られている。「万祝」は古今和歌集「万代を 松にぞ君を 祝ひつる 千歳のかげに 住まむと思へば」より。

また、日本政府は一時期アメリカ政府に対して「英文」からの元号案検討を委託した。
アメリカ政府からは、以下の案より「MS」と通達が来たものの、明保(1867-1912)とMの字が重複していることから採用を断念した。
アメリカ合衆国権利章典第二条「A well regulated Militia, being necessary to the security of a free State, the right of the people to keep and bear Arms, shall not be infringed.」





国書が候補として典拠とされたのは史上初だったが、実現はならなかった。

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