高まる早期解散論 高支持率・政権に高揚感
長期政権見据える総理が越えるべき壁
来月16日で政権発足半年を迎える建倍内閣。総裁選を勝ち抜き、内閣改造で示したのは党内融和の達成、「保守旋風の台風の目」を担う建倍義和総理大臣が狙うのは「長期政権」だ。
政権奪還を果たした前回の総選挙から1年半。広瀬政権発足時の支持率は6割を超えたが、閣僚問題や首相の健康問題により早期退陣に追い込まれた。その後発足した建倍政権は半年間高支持率を維持している。
建倍氏が長期政権を目指すために超えるべき壁、それは「総裁選」「人事」「衆議院選挙」「参議院選挙」の4つだ。
中道政治ブームへの剣は「政権人気」
3月に新党「新創党」設立を表明した北本誠二元首相や、10年前の祇園政権で活躍した房登富三郎元厚生労働大臣の新党「国民協和会」などの中道政党ブームが続いている。旧国民・改進の中道をりろ過しつつ薄め、集めた」政党だ。
保守党内には「政権人気」に生じてこうした将来の脅威を抑え込む、つまりは衆議院選挙を行い保守党にさらなる勢いをつける、という意見があり、建倍総理はそれらに基づいた新たな政権運営への道を模索しつつある。
来年には参議院選挙も迫っているが、党内では「衆院選では勝てたが、参院選で負ける」というここ10年の保守党宰相のジンクスを憂う傾向があり、対応が迫られる。
カギは「解散時期と野党共闘」
祇園・星田派を抑え込み、保守党の一本化を図った建倍総理は、次年度予算の策定などを見届ける前に衆院解散に打って出る可能性がある。その時期は来月もしくは遅くとも年内が妥当とされている。
年を開けると通常国会が迫り、参議院選挙に向けた動きも活発化するため、この時期を過ぎた解散はないと思われる。
野党は建倍総理の動きを注視しつつ、各党の新たな一本化を模索しなければならない。
「野党共闘」が圧倒的な力をもつ保守党にどれだけ食い込めるか、年末に向けて新たな政局が望まれる。
(政治部 隈元敦行)
0コメント