曇り空の広島 76回目の原爆の日 被爆者高齢化、核廃絶道のり遠く
曇り空となった広島は今日、原爆投下後76回目の8月6日を迎える。広島市中区にある平和公園では早朝から慰霊に訪れる人々が多く集まった。
広島市が毎年主催する広島平和記念式典は今年度も同平和公園で行われ、世界各国の代表や大使、被爆者、また平和活動を行う高校生ら招待者が出席した。
広島市の赤松隆彦市長は「唯一の被爆国である日本が中心となって世界の核廃絶をリードしていくべきであり、その為に行動を行うよう政府に求める」と述べ、被爆国である日本政府による非核化への推進を求めた。
一方、建倍義和首相はあいさつで「立場の異なる国々の橋渡しに努め、各国の対話や行動を粘り強く促すことで、核兵器のない世界の実現に向けた国際社会の取り組みをリードしていく」と述べた。
世界的な核軍縮の流れに関して、 「結束した取り組みの継続を各国に働きかける」と述べた。保守党政権下の首相は毎年のあいさつで核保有国と非保有国との間での「橋渡し役」を強調する一方で、従来通り、米国の核抑止に依存する立場から否定的な姿勢を崩していない。
被爆者高齢化進む 核廃絶道のり遠く
被爆者の高齢化は年々深刻化している。今年度被爆者の平均年齢は83歳。原爆死没者名簿には今年4000人が追加されるなど減少も進んでいる。
また、核廃絶の道のりもまだまだ遠い。華国は今年7月、核兵力の増強を表明。今年2月には英国も増強計画を明らかにした。
広島平和進歩協議会の松屋寛次会長(85)は「我々が仲間達と命を削って活動していても、歳には勝てない」と話し「日本政府を中心に、被爆国としての責任を果たすべきだ。核廃絶の国際的推進を。」と政府に呼びかける。
9日には長崎に原爆が投下されて76年を迎える。
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