分裂警戒で出馬表明できず「静かな総裁選」へ 来週告示
「分裂警戒」で誰も出馬表明できず...
保守党の総裁選は、正式な出馬表明を誰1人として行わないまま公示を迎えようとしている。投開票は9月20日に行われるが、現時点では建倍総裁の再選が有力となっているが、今後の展開次第では「分裂」を起こす危険性が強く指摘されている。
昨年の総裁選挙は無投票で建部氏が選出された。背景には「政局を見出すことができない皇位継承の時期」であったことが元で広瀬氏が裁定を下した「広瀬裁定」が要因となった。広瀬氏は発足した建倍政権への影響力を誇示し、自身の体調が戻り次第自身の首相復帰を目論んでいたものの、体力の衰えなどから先月政界引退を表明した。
建倍氏が続投すると見られていたが、保守党反主流派とされる祇園派から猛反発。距離の近い星田派からも批判を受け、無投票再選は厳しいかと思われていた。情勢が転換したのは8月13日、保守党の沖島幹事長が「反党行為は厳しく対処する」と対立姿勢を「明確」にしたことだ。第3派閥沖島派を率いる幹事長が「現職支持」を明確化したことで、祇園氏は2005年のような反党行為ができないと判断したようである。それ以降はダンマリである。
「敵を作らない」他人に喧嘩を任せる総理
建倍総理大臣は穏和な性格と知られる。その一貫して「敵を作らない」姿勢は恩師として建倍総理が崇敬する小渕恵三元総理大臣から学んだと言われる。
1998年から2003年にかけて長期政権を築いた小渕総理の政治手腕は正しく敵を作らない「人柄の小渕」と称された。保守・国栄・親民の巨大与党を繋ぎ止め動かし、支持率を就任時から30%ほどあげるという異例の快挙も残した。
建倍氏は当選1期目から小渕派に属し、2005年の小渕氏政界引退時には涙を流して取材に答えている。小渕氏とは今でも懇意に連絡を取り合う仲ということで、建倍氏は小渕氏と通ずる点が多く、高支持率の背景には国民からの「ウケの良い性格」が影響しているようだ。
一方、小渕総理は自身は敵をつくらないが、政権内外への敵に対しては「部下に攻撃」させていた。報道、人事を駆使した行動力を武器として生まれた長期政権であったとも言われる。沖島幹事長の発言も、建倍総理の本心を代弁したのではないだろうか。
いずれにせよ、現時点では「喧嘩をしない総理」が再選する構図となっている。恩師の教訓を武器として、建倍政権の維持、保守党の平穏は保てるのであろうか。
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